上野正彦『死体は語る』|ネタバレなしでご紹介します

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今回は、元東京都監察医の上野正彦さんが綴る法医学エッセイの大ベストセラー『死体は語る』について、基本情報や刊行の経緯、メディア化の情報、そしてこの本との出会いや実際に読んでみての感想もネタバレなしで書いています。長くなりますが、何かの参考になれば幸いです。

この記事で分かること

  • 『死体は語る』の基本情報や刊行の経緯
  • テレビドラマ化・コミック化などのメディア展開
  • 解説を担当した夏樹静子さんについて
  • 電子書籍の有無や古本市場での入手しやすさ
  • 実際に読んでみての感想や、古本ならではの発見

この本について

基本情報

書名死体は語る
著者上野正彦
出版社文藝春秋(文春文庫)
単行本刊行1989年
文庫版刊行日2001年10月10日
現行の定価726円(税込) ※21刷の奥付表記は570円+税
判型・ページ数文庫判・256ページ
ISBN978-4-16-765602-7
購入店舗古本市場
購入価格100円
手元の版第21刷(2018年8月1日発行)
状態汚れやカバーの破れあり、帯付き

著者の上野正彦さんは東京都監察医務院の監察医として30年以上にわたり検死に携わった人物で、タイトルに「死体は~」と冠した関連ノンフィクションを多数執筆しています。本作は単行本が1989年に時事通信社から出版され、文庫版は2001年に文春文庫から発売されました。

受賞・評価

文藝春秋の公式サイトでは「60万部を超える大ベストセラー」と紹介されていますが、私が購入した第21刷(2018年時点)の帯には「80万部突破」と書かれています。検索してみても現在の正確な発行部数はわかりませんでしたが、いずれにしても著者の代表作として長く読まれてきた一冊であることは間違いありません。

本書の解説では「2001年8月時点で単行本は85刷」という記載もありました。法医学というジャンルでこれだけ増刷されるほどヒットするというのは、「馴染みのない世界の、しかし誰にでも起こり得る話」という絶妙な距離感にある世界が多くの人の興味を惹いたのかもしれません。

メディア化・派生作品

本書を原作の一つとするテレビドラマ『監察医・篠宮葉月 死体は語る』が、2001年から2014年にかけてテレビ東京・BSジャパン共同制作で放送されました。全15回、主演は高島礼子さんです。

また、上野正彦さんの原作をもとにしたコミック版『死体は語る』(作画:小針かわず)が、文藝春秋のウェブコミックサイトなどで連載されています。法医学ミステリーというジャンルの先駆け的な作品として、複数の形で多くの人に親しまれてきたことがわかります。

解説・あとがきについて

文庫版の解説は、推理作家の夏樹静子さんが担当しています。夏樹さんは1938年生まれ、1970年に『天使が消えていく』で本格的に作家活動を始め、1973年には『蒸発』で日本推理作家協会賞を受賞しました。代表作『Wの悲劇』は映画化もされており、2006年には日本ミステリー文学大賞を受賞しています。

私が購入した第21刷の書影
私が購入した第21刷の書影

手に取りやすさ

入手性(手に入れやすさ)

単行本は廃盤になっているため入手は難しい状況ですが、文庫本は現在も新刊として流通しており、電子書籍版も複数のサイトで配信されています。

ベストセラーということもあり中古市場での流通量も比較的多いようで、ブックオフなどでこのシリーズを見かけることはよくあります。価格は100円~200円程度で売られていることが多いです。

読みやすさの目安

全256ページで、「死者との対話」「人を食った話」「安楽死」など、短編エッセイ形式になっています。1話ごとに読み切れる構成のため、まとまった時間が取れないときでも読み進めやすい作りです。

専門的な知識がなくても読めるよう書かれた一般向けの内容なので、「法医学入門」として手に取りやすい一冊です。

出会いと物語

なぜこの本を手に取ったか

古本市場の100円コーナーをチェックしていたときに、インパクトのあるタイトルに惹かれて手に取りました。法医学と言う難しいジャンルではあるものの、短いエッセイ形式で読みやすそうだったので購入しました。

あらすじ

東京都監察医務院で30年以上にわたり検死に携わった著者が、実際に扱った事件の数々を綴る法医学エッセイです。一見すると病死や事故死に見える死体でも、丹念に調べていくと、そこに隠された真実が浮かび上がってくる――。偽装された死や、猟奇的に見える事件など、さまざまなケースを通じて、死体が語る「声なき声」に耳を傾けていく内容になっています。

AIが考える「死者の声を聞く監察医」のイラスト
AIが考える「死者の声を聞く監察医」のイラスト

読んでみて

良かった点

今までに触れたことのないジャンルの本で、法医学というワードからもっと難解なものを想像していましたが、難しい解説ではなく著者の「体験談」という形のエッセイなのでとても読みやすかったです。

事件や事故については淡々と書かれているので、怖い話が苦手でもノンフィクション作品として楽しめる内容でした。

一話がだいたい5~10ページ前後で、ちょっとした空き時間に読み進めることができます。私は病院の待合室で読んでいたのですが、家で読むよりも妙な緊張感がありました。こういう楽しみ方もおすすめです。

古本ならではの発見

「金スマ」出演で大反響、と書かれた帯
「金スマ」出演で大反響、と書かれた帯

今回入手したものには帯がついていましたが、そこに書かれている「金スマ」って、懐かしいですよね。SMAPの中居さんの番組です。

本の表紙が変わることは少ないですが、帯は時期によって細かく変わることがあるので、テレビ番組や流行っていたもの、その頃に活躍していた俳優さんなど、当時の情報が書いてあるのも古本ならではの楽しみだと思います。

まとめ

こんな人におすすめ

  • 実際にあった事件・事故をもとにしたノンフィクションに興味がある方
  • ミステリーや推理小説が好きで、現実の法医学の世界も覗いてみたい方
  • 短編エッセイ形式で、隙間時間にコツコツ読み進めたい方
  • テレビドラマ『監察医・篠宮葉月 死体は語る』の原点に興味がある方

古い本ではありますが、法医学というテーマを通して「死」を身近に考えさせてくれる一冊だと感じました。気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。参考になれば幸いです。

参考文献

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