桜木紫乃『ホテルローヤル』|ネタバレなしでご紹介します

桜木紫乃『ホテルローヤル』|ネタバレなしでご紹介します - のアイキャッチ画像 小説・文学

今回は、桜木紫乃さんの直木賞受賞作『ホテルローヤル』について、基本情報や受賞歴、映画化の経緯に加え、実際に読んでみての感想や古本ならではの発見についても書いています。

長くなりますが、何かの参考になれば幸いです。

この記事で分かること

  • 『ホテルローヤル』の基本情報と刊行の経緯
  • 直木賞受賞などの評価と映画化の経緯
  • 解説を担当した川本三郎さんについて
  • 本の入手しやすさと読みやすさの目安
  • あらすじ(ネタバレなし)
  • 実際に読んでみての感想・古本ならではの発見

この本について

基本情報

書名ホテルローヤル
著者桜木紫乃
出版社集英社(集英社文庫)
刊行の経緯単行本 2013年1月刊 → 文庫化 2015年6月25日刊
定価現行:660円(税込)※購入した15刷の表記は500円+税
判型・ページ数文庫判・224ページ
購入店舗古本市場
購入価格50円(100円以下の文庫本が全て50円になるセールで購入)
状態傷や汚れ、日焼けなどなく、中身も綺麗
15刷(2020年10月26日)

北海道釧路市出身の作家である桜木紫乃さんが、釧路のラブホテルを舞台に描いたベストセラー作品。単行本は2013年1月4日に集英社から刊行されたのち、2015年6月25日に文庫化されました。今回手に取ったのはこの文庫版の第15刷です。

私が購入した文庫版15刷の書影

受賞・評価

桜木紫乃さんは2011年刊行の『ラブレス』が第146回直木賞候補となり、2013年に本作『ホテルローヤル』で第149回直木賞を受賞しました。

2020年10月時点での累計発行部数が100万部を突破しているとのことで、直木賞受賞から長く読み継がれているベストセラーであることが分かります。

2013年には『ラブレス』が第19回島清恋愛文学賞も受賞しており、この頃が作家としての大きな転換期だったことがうかがえます。

メディア化・派生作品

2020年11月13日に実写映画『ホテルローヤル』が全国公開されました。監督は『百円の恋』などで知られる武正晴さん、脚本はNHK連続テレビ小説『エール』を手掛けた清水友佳子さんが担当し、主演は波瑠さんが務めています。松山ケンイチさんや安田顕さん、余貴美子さん、伊藤沙莉さんら実力派のキャストが集結した作品です。

YouTubeには映画の予告編(公式)の動画がありました↓

解説・あとがきについて

文庫版の巻末解説は、評論家で作家の川本三郎さんが担当しています。文学や映画、東京、旅などを中心とした評論やエッセイで知られる方で、『大正幻影』でサントリー学芸賞、『荷風と東京』で読売文学賞、『林芙美子の昭和』で毎日出版文化賞・桑原武夫学芸賞を受賞しているなど、著書も多数あります。永井荷風研究の第一人者としても知られる方で、機会があれば著書も手に取ってみたいと思っています。

手に取りやすさ

入手性

単行本刊行から10年以上が経ちますが、2015年7月3日から電子書籍版も配信されており、紙・電子ともに入手しやすいと言えます。累計発行部数の多さもあり、ブックオフなどでも比較的見つけやすい作品です。

読みやすさの目安

全7編からなる連作短編集で、1編ごとに独立して読み進められる構成になっています。前提知識などは不要ですし、224ページというボリュームも含め、読書に慣れていない方でも読みやすい一冊だと思います。

出会いと物語

なぜこの本を手に取ったか

ふらっと立ち寄った古本市場で「100円以下の文庫本がどれでも50円!」という驚愕のセールをやっていて、一気に20冊購入したうちの一冊です。桜木紫乃さんの作品は以前アンソロジーで短編を読んだことがあり、機会があれば読んでみたいと思っていたところで「直木賞受賞作・映画化」の帯が付いていた本作を見つけ、購入しました。

あらすじ

北海道の湿原に佇むラブホテル「ホテルローヤル」を舞台に、そこに関わった人それぞれの生(性)を描く連作短編集です。事件性のある展開というより、そこに集う人々の心の機微に焦点が当てられた人間ドラマが中心の作品です。

読んでみて

同じ場所を舞台にしながらも、異なる時代(世代)の物語がたくさん収録されている構成がとても好きでした。連作短編集としてのつながりがとても綺麗で、読み進めるほどに話の解像度がだんだん上がっていく感覚があり、読み終えた後にはそのままもう一度最初から読み直したくなるほどで、構成の巧みさに唸らされました。

古本ならではの発見

私が今回手に入れたのはちょうど映画公開の時期と重なる2020年10月26日の15刷で、映画の宣伝のためのダブルカバー(全オビ)仕様になっていました。注文カードも挟まったままで、一度しか読まれていないのではと思うほど綺麗な状態でした。

ダブルカバーと注文カード
ダブルカバー、注文カードつきで状態が良いものを購入しました

ダブルカバー仕様は帯と同じく紙でできていることがほとんどなので、ぱっと見では「ヤレている感」が出やすいのですが、実は本来のカバーの保護にもなっており、これを剥がすと本体は新品のように綺麗なことが多いので、状態の良い本が欲しいなら古本屋では狙い目です。値段のシールが直接貼られないのも嬉しいポイントです。

ダブルカバーに値札シールが貼られている写真
このように、本体に直接シールが貼られないので汚れません

まとめ

こんな人におすすめ

  • 直木賞受賞作から気になる作家を探している人
  • 北海道を舞台にした物語が好きな人
  • スキマ時間で読める短編集を探している人
  • 映画『ホテルローヤル』を観て、原作が気になっている人

今回は桜木紫乃さんの『ホテルローヤル』を取り上げました。

50円で出会った一冊が、直木賞受賞作でありながら映画化までされた名作だったというのも、古本屋巡りの面白さのひとつだと感じています。

この記事が皆さんの本選びの参考になれば幸いです。

参考文献

タイトルとURLをコピーしました